« 建設機械 | トップページ | ドイツ »

2008.07.25

タンパク質

 「タンパク質の一生」(永田和宏 岩波新書)という本を読んだ.タンパク質の誕生,成長,輸送,死,品質管理などについて書いてある.
 タンパク質を構成しているアミノ酸は,N,O,C,S,Hの5種類でできている.アミノ酸はアミノ基とカルボキシル基を持つ化合物の総称で,側鎖によって性質が変わる.ペプチド結合で1本につながっている.アミノ酸は20種類ある.
 生体のヒエラルヒーというのは,分子,オルガネラ,細胞,組織,器官,個体の階層のことをいう.細胞は,核と細胞質からできており,細胞質はオルガネラ(細胞小器官)とサイトゾル(細胞質ゾル)からできている.オルガネラには,小胞体,ゴルジ体,リソソーム,ペルオキシソーム,ミトコンドリア,葉緑体が含まれる.
 タンパク質の誕生は,DNAにより1本鎖のタンパク質が作られ,それが折り畳まれて(フォールディング)はじめて機能を発揮する.セントラルドグマというのは,遺伝情報がDNA,RNA,ポリペプチドという1方向にしか流れないことをいう.DNAは,ヒストンというタンパク質に巻き取られるが,これをクロマチンという.それがさらに折り畳まれて,クロマチン繊維になり,さらにタンパク質に巻きついてループ構造になり,染色体のもとになり,やっと染色体になる.タンパク質を1つ合成するのにかかる時間は,15分くらいだそうだ.1秒間に45個のアミノ酸をつなげられる.
 成長は,折り畳みの過程であり,分子シャペロンが関わっている.タンパク質のヒエラルヒーは,ポリペプチドという1次構造から始まって,αへリックスとβシートという2次構造,これが組み合わさった空間的な3次構造,それが複合した4次構造からなる.分子シャペロンというのは,熱ストレスタンパク質がタンパク質の成熟を助ける機能のことをいう.分子シャペロンの作動原理は,隔離,結合解離,糸通しの3つある.はじめに弱いストレスが掛けられると後の強いストレスへの耐性が高くなる.
 輸送というのは,タンパク質を本来働く場所に運ぶことで,葉書方式(タンパク質自身に宛て名が書いてある)と小包方式(宛て名の書かれた小胞で包んで送る)がある.ゴルジ体は,中継基地としての役割をしている.
 タンパク質の死には,ネクローシスとアポトーシスがある.アミノ酸は食事から70g摂取し,180gが合成され,分解される.排泄は70gである.プロリン,グルタミン酸,セリン,スレオニンが並んだPEST配列が分解を指示するシグナルになる.分解の仕方には,ユビキチン・プロテアソーム分解とオートファジー分解がある.
 タンパク質の品質管理の基本原理は,ラフに作り,チェックを厳しくするという方式である.品質管理の方法は,ポリペプチドへの翻訳過程を止める生産ラインの停止,シャペロンによる不良品の修理・再生,小胞体関連分解が主である分解,細胞のアポトーシスの4段階で行われる.品質管理が失敗すると,フォールディング異常病として血友病,白内障,アルツハイマー病,パーキンソン病,ハンチントン病,ブリオン病などが起こる.

|

« 建設機械 | トップページ | ドイツ »

コメント

はじめまして。
私もこの本読みました。
タンパク質の世界って不思議ですよね~

投稿: iwaiy | 2008.07.26 14:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 建設機械 | トップページ | ドイツ »